「指定洗濯物」とは、またその取扱い方法とは
クリーニング業法施行規則では、「指定洗濯物」を以下の通り規定しています。
感染症を起こす病原体により汚染し、または汚染のおそれのあるものとして規定する以下の洗濯物です。
- 伝染性の疾病にかかっている者が使用した物として引き渡されたもの
- 伝染性の疾病にかかっている者に接した者が使用した物で伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるものとして引き渡されたもの
- おむつ、パンツその他これらに類するもの
- 手ぬぐい、タオルその他これらに類するもの
- 病院又は診療所において療養のために使用された寝具その他これに類するもの
クリーニング所でこれらの「指定洗濯物」を取り扱うには、未消毒の指定洗濯物を置く専用の場所又は容器と消毒設備(※1)が必要であり、管轄する保健所への届け出と確認が求められます。
これらの要件を満たしていないクリーニング所では、取り扱うことができません。
※1 ただし、消毒の効果を有する洗濯方法により処理される場合は、この限りではない。
何ができる?
食品工場などの企業では
工場内やオフィスで、万が一、嘔吐、下痢等の従事者が発生してしまった場合、その本人や対応した社員等ノロウイルス汚染が疑われる方々の作業服・ユニフォームの消毒とクリーニングができます。
洗濯代行サービスでは
昨今、クリーニング店のサービスとして一般衣類の洗濯代行を提供する企業があります。一般衣類の中には、タオルやパンツ等の下着もありますが、これらは指定洗濯物に該当するため「指定洗濯物取扱施設」でなければクリーニングすることができません。らくらくランドリー 竹間沢店では、取り扱うことができます。
美容院・マッサージ店・民泊などでは
各サービスで使用するタオル・バスタオルなどを「指定洗濯物取扱施設」であるクリーニング店に依頼することで、衛生管理を任せることができます。
消毒方法は?
指定洗濯物取扱施設として登録したクリーニング所での消毒方法は、「クリーニング所における衛生管理要領」において以下のとおり定められています。
消毒方法は大きく「理学的方法」と「化学的方法」の2つに分けられます。
理学的方法は、熱による消毒で、 蒸気による消毒では、100℃以上の湿熱に 10 分間以上触れさせること、熱湯による消毒では、80℃以上の熱湯に 10 分間以上浸すこととされています。
化学的方法は、塩素剤によるものと界面活性剤によるものがあります。当社では、この化学的方法によるどちらかの消毒をします。
塩素剤による消毒
次亜塩素酸ナトリウム等を使用し、その遊離塩素 250ppm 以上の水溶液中に 30℃以上で 5 分間以上浸すこと(この場合終末遊離塩素が 100ppm を下らないこと。)
界面活性剤による消毒
逆性石ケン液、両性界面活性剤等の殺菌効果のある界面活性剤を使用し、その適正希釈水溶液中に 30℃以上で 30 分間以上浸すこと。
※当社では、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)の1,000ppm希釈の水溶液による消毒をします。
これらの化学的方法は、高温に弱い洗濯物も消毒できる利点があります。ただし、塩素剤による消毒を採用する場合は、漂白効果もあるので塩素による色落ちしない洗濯物に限られます。また、塩化ベンザルコニウムの1,000ppm希釈の水溶液は新型ウィルス(COVID 19)の消毒には有効とされていますが、ノロウィルスなど効果のない細菌・ウィルスもあります。
ノロウィルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。